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球脊髄性筋萎縮症

球脊髄性筋萎縮症(spinal and bulbar muscular atrophy、SBMA)は成人発症の下位運動ニューロン疾患である。X連鎖劣性遺伝の遺伝形式をとる遺伝子疾患であり、アンドロゲン受容体の第1エクソンのCAG繰り返し配列の異常に起因するポリグルタミン病の一つである。男性のみに発症し四肢の筋力低下、筋萎縮と球麻痺をきたし、緩徐に進行するのが特徴である。開鼻声、舌萎縮、顔面・舌の線維束性攣縮、女性化乳房、軽度の肝機能障害、血清クレアチンキナーゼ高値、血清クレアチニン低値を病初期から呈することが多い。

主症状は緩徐進行性の四肢筋力低下、筋萎縮、球麻痺である。筋力低下の発症は30~60歳頃である。手指の振戦や下肢の有痛性筋萎縮がしばしば筋力低下に先行する。筋力低下は左右対称性のことが多いが、明らかな左右差を呈する例もみられる。四肢の運動障害は近位部で特に強くみられ、動揺性歩行や起立困難となる。筋肉を収縮させた時に線維束性収縮が増強しcontraction fasculationと呼ばれている。顔面の筋力低下も見られるが外眼筋は障害されない。感覚障害として振動覚の低下を認めることがあるがほとんど下肢遠位に限局する。四肢腱反射は低下または消失する。 随伴症状として女性化乳房を高率で認める。体毛の減少、睾丸萎縮などのアンドロゲン不応症状がしばしば筋力低下に先行するが妊孕性は保たれていることが多い。

– 2020.04 Wikipediaより転記 –